【クラフトビールが知りたい!】初心者でも分かる!ビアスタイルってなに?

2020年5月29日

クラフトビール屋さんに行ったとき,ビアスタイルってなに?と思ったことがある方も多いのではないでしょうか.

クラフトビールを飲み始めた方にとってビアスタイルはかなり重要で難解なワードです.

ビアスタイルとは,ひとことで言うと「ビールの種類」のことで,使用する麦芽(モルト)や発酵方法の違いによって驚くほど多くの種類のスタイルのビールがこの世に存在します.

スタイルによって味は大きく分別されるので,自分の好きなスタイルを知ることは大切です.

ビール好きな人との会話も弾みますし,お店でどのスタイルのビールが飲みたいかを伝えることで飲みたいビールが注文できるようになります.

ということで今回は初心者の方でも分かりやすいように,基本的なビアスタイルについてご紹介したいと思います.

ビールに欠かせない知識・ラガーとエールとは?

ビアスタイルを語るために欠かせない知識,それが「ラガー」「エール」の違いです.
ラガーとエール,名前は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか.

ラガーとエールの違い,それは発酵方法です
ビールを作る過程に「発酵」という工程があります.

これは簡単に言うと,麦芽でできた麦汁に酵母を投入し,アルコールを生成する工程です.

この時の発酵は「下面発酵」「上面発酵」に大きく分別されます.
少し詳しく説明していきますね.

ラガーとは

ラガーは「下面発酵」によって作られるビールのことです.

下面発酵とは

・6~15℃の低温で発酵させる
・発酵が終わると酵母がタンクの底に沈む
・発酵期間が7~10日と長い
・中世以降に主流となった新しい方法・6~15℃の低温で発酵させる
・発酵が終わると酵母がタンクの底に沈む
・発酵期間が7~10日と長い
・中世以降に主流となった新しい方法

普段の生活でビールといわれて飲むビールはこちらに当たります.
喉ごしがよくすっきりキレがあるのが特徴です.

エールとは

一方エールとは「上面発酵」によって作られるビールのことです.

上面発酵とは

・20~25℃という高めの温度で発酵させる
・発酵が終わると酵母が浮き上がる
・発酵期間が3~4日と短い
・古くからのビールの製造方法

フルーティでコクが感じられるのが特徴です.
香りや風味を楽しむために高い温度で楽しまれることが多いのもエールの特徴です.

ラガーの代表的なスタイル

ピルスナー

1842年にチェコで生まれた黄金色のビールです.それまでにないそのカラーは人々の注目を集め,瞬く間に人気になりました.

いまや世界で飲まれるビールの7割はピルスナーが占めるといわれており,普段ぼくたち日本人が飲んでいるビールはだいたいピルスナーです.

ピルスナーの特徴

・黄金色
・香りや苦味はそこまで強くない
・すっきりキレがあり,飲みやすい

シュバルツ

シュバルツとは.ドイツ語で「黒」という意味で,色の名前がそのままビールの名前になっているとても分かりやすいビールです.

黒というとスタウトを思い浮かべる方も多いかもしれませんが,シュバルツはラガータイプの黒ビールなので,見かけによらずすっきりとした飲み口なのが特徴です.

シュバルツの特徴

・色は黒いが意外とすっきりとした味わい
・チョコレートのような香ばしい香り
・度数も5%程度と低め

ラオホ

ドイツの言葉でラオホとは「煙」という意味です.

なぜこの名前なのかというと,燻製された麦芽を使用しているためです.
そのためスモーキーな香りが特徴で,この独特の香りに虜になってしまう人も多いです.

ラオホの特徴

・濃いめのカラーで度数は4.4~5.5℃程度
・独特のスモーキーな香り
・モルトの甘味が感じられ,温度の変化とともに変わる味わいを楽しむことができる

エールの代表的なスタイル

ヴァイツェン

ドイツ語で「小麦」という意味の名前が付いたこのヴァイツェンは,名前の通り小麦を使ったビールです.

苦味がほとんどなく,度数も控えめなので初めての方やビールの苦手な方におすすめのビアスタイルです.

ヴァイツェンの特徴

・50~70%も小麦を使っていて,よく泡立つ
・特有のバナナの香りと形容されるフルーティなエステル香
・苦味はほぼなく,ホップの香りも強くない

・ベルジャンホワイト(ホワイトエール)

ベルギー発祥のビールで,大麦麦芽に生の小麦を50%まで加え,コリアンダーとオレンジピールを使って香りづけしています.

一度消滅したが1965年に復活し,現在は日本やアメリカで作られています.

ベルジャンホワイト(ホワイトエール)の特徴

・色が淡く,泡立ちがよい
・コリアンダーやオレンジピールのスパイシーな香りが感じられる
・度数が控えめで苦味も少ないので飲みやすく,女性に人気

ケルシュ

ケルシュとは「ケルンのビール」という意味で,ドイツのケルン地方で伝統的に作られるビールです.

限られた醸造所で作られたものしか名乗れない特別なビールです.

ケルシュの特徴

・色はゴールドで,アルコール度数は4.8~5.2%と低い
・白ワインのようなフルーツ香が感じられ,すっきりとした味わい
・苦味は強くない

ペールエール

イギリス発祥の伝統的なビールホップやモルトの香りがしっかり感じられます.
次に紹介するIPAの元となったスタイルです.

ペールエールの特徴

・ホップの華やかな香りが感じられる
・度数は4.5~5.5とそこまで高くない
・香りを楽しむためにあまり冷やしすぎないのがおすすめ

IPA

突然のアルファベットに恐れおののく人も多いのですが,IPAとは「Indian Pale Ale」の略です.

これは簡潔に言うと先ほどのペールエールの進化版です.

IPAが生まれたのは偶然でした…

遠い昔イギリスからインドに船でビールを運ぶ必要があったのですが,劣悪な環境のためビールが痛んでしまうという問題がありました.

そこでビールを美味しいまま運ぶために防腐剤としてホップ(本来ビールに苦味や香りをつけるために使われる植物)を大量に投入したところ,香りや苦味,アルコール度数が圧倒的に強烈な美味しいビールが生まれました.

これがIPAの始まりです.

IPAの特徴

・ホップの香りが強く,柑橘類のようなフルーティさが感じられる
・苦味が強めでアルコール度数も高いものが多い
・ホップを大量に投じることでいろんな工夫ができるので,自由な国アメリカでブームが巻き起こり,アメリカンIPAやヘイジーIPA,インペリアルIPAなどさらに細かい区分がたくさん生まれている

スタウト

一般的に黒ビールといわれる黒いビールです.

もともとロンドンのパブで飲まれていた「ポーター」というビールがアイルランドに渡り,ギネス社の手によって進化して生まれたのがこの「スタウト」です.

麦芽になる前の大麦をローストすることで特有の黒い色と香りが生まれます.

スタウトの特徴

・黒い
・コーヒーやナッツのような焙煎された大麦の苦味と香りが感じられる
・ゆったりと温度の上昇に伴う香りの変化を楽しみながら飲まれることが多い

まとめ

今回はクラフトビールのビアスタイルについて,発酵の違いによるラガーとエールの面からご紹介しました.
まだまだこのほかにもたくさんのビアスタイルはありますし,今後もさらに増えていくと思います.
まずは基本のスタイルから覚えてみてくださいね!